PENTAX K-30 黒死病の分解修理

ヤフオクで買った中古K-30、購入してしばらくは(キャパシタ日付リセット問題以外)普通に使えていたが、黒死病になったので分解修理した。分解修理にあたって参考にさせて頂いたのはこちらのページ。
バッテリー交換するたびに日付がリセットされてしまう問題もなおしたかったが、キャパシタ交換はできないっぽい。基盤にくっ付いてるんだとか…。

分解中にうっかり電解コンデンサ付近に触ってしまいビリっと感電した。怖かった。赤い矢印あたり、触っちゃダメ、危険、感電する。


分解に使ったドライバーは#00+ドライバー。4年前にヨドバシカメラで買ったジャパンホビーツールのカメラメンテナンスドライバー6本セットのうち1本しか使わなかった。今も当時と同じ880円程度で売ってる。



ネジをなくさないように、慎重に場所をメモりながら分解していたが、1本手からこぼれ落ちてなくしてしまった。しかしマクロで撮影するとiPhone程度のカメラでも合板プリントの不自然な木目がはっきりわかってしまうのだなあ。



なくしたネジは、4年前にAmazonで買った精密ネジセットで代用できた。今も4年前と同じ780円で売ってる。日本製だし買っておいて良かった。


waves 精密 ネジ セット M1 M1.2 M1.4 M1.6 12種 各50個 計600個



分解途中、バッテリー底にも長いネジがあったのを見落としてなくすところだった。あぶない、あぶない。
前所有者が分解修理して黒死病をなおしたような形跡があり、絞り制御ユニットのU字金具にピンク色の紙が挟んであった。やはりワンオーナーの購入者から直接譲ってもらう以外の中古機種は信用ならない…





絞り制御ユニットのU字金具はどこをどういう風に加工して良いか分からなくて、足をやすりで軽く削りガスコンロの火で炙り股の部分にマスキングテープ貼って組み立て直した。元々修理品だったっぽいけど、これでISO感度の異様に高い真っ暗な写真しか撮れなかった症状は治せた。



自分の場合は結局U字金具を火で炙って消磁してマスキングテープを巻く手法に落ち着いた。それが最適化は分からないけど。組み立てはフロントカバーとフォーカスモードレバーとAFカプラーの連動が一番面倒だった。




組み立て途中にフォーカスモードレバーの噛み合わせに失敗してAFカプラーが引っ込んだまま出てこなくなってしまいAFが作動しなくなってしまったので再度分解して組み立て直した。




フロントカバー裏側、フォーカスモードレバー連動部位ってこうなってるんだな。フロントカバーをはめる時にここを上手く噛み合わせられないとフォーカスモードレバーが中度半端にしか回らなくなりAFカプラーが引っ込んだままになってしまう。







絞り制御ユニットを交換して一応普通に撮影できるようになったが、以前よりシャッターの調子が悪くなった。写真はきれいに撮れているが、シャッターの戻りが遅い。高速連写しても瞬時にシャッターが戻らず、ワンクッション置いてからシャッターが戻る感じ。ただ調子が良い時はすぐ戻る。動作が不安定な感じ。

下の記事にも書いてあるが、絞り制御ユニット、ちょっとした配置の違いがシャッターの布具合にも絞り連動にも影響してしまうようだ。とても怖い。結局また分解して組み立て直した。
PENTAX K-S2 黒死病の修理(修理編)/追記あり

PENTAX K-S2 黒死病の修理(修理編)/追記あり

分解編に続いて、いよいよ修理編です。絞り制御ユニットの修理はネット上で探すことができる「馬蹄形金具にハンダを盛って、通常の位置よりもほんの少し位置をずらす(磁石から位置を遠ざける)」というものがありますが…

組立2回目までは撮影できるもののミラーが途中で引っかかったようになりシャッターの戻りが遅くなったりファインダーのAF像が合わなくなったりしたけど、絞り制御ユニットの分解&消磁からやり直して数回目の組立で正常にシャッター切れるようになりAFも狂いがなくなった。

絞り制御ユニットの調整1つで絞りだけでなくシャッターやAFの調子まで変わるなんてほんとうに構造が繊細。今後も分解する時は気をつけないと。




もう1個のK-30も露出オーバー気味だったので治そうと思って分解したらよく分からない配線が1本切れてた…(黒い配線)。それらしき所に無理やり半田付けしてみたけど露出オーバーは変わらなかった。半田付けしてから言うのも何だけど、この黒いのは何の配線だろう。





U字金具を削っても半田付けしても火で炙っても消磁器で消磁しても紙を挟んでも黒死病を治せなかったor一時的には治ったがすぐ再発した説もあるので、大きな期待はできないが(U字金具の移植は比較的成功率が高いっぽい)、一応黒死病の症状はなおって普通に移せるようになったので、再発しないことを願うばかり。