峠駅の名物「峠の力餅」を普通列車の停車中に買ってみた。全国的にも珍しい駅ホーム立売り販売を古くから続けているお店で、JR東日本管内ではもうこのお店しか残っていないらしい。以前から気になってはいたが、購入は初めて。停車時間わずか30秒の間に餅の入った箱を抱えてホームを往来する販売員さんから一箱千円の餅を買う。新型コロナ感染拡大のご時世を反映して、販売員さんもマスクをしていた。若い方だったので驚いた。今年は峠の力餅駅の立売り120周年、峠駅の開業122周年だそうだ。
奥州路 板谷峠の力餅 海抜624米
峠駅 山形県米沢市大字大沢字峠
古老が語る峠の力餅は我々が幼い頃から口にした郷土の味です
遠く明治32年福島米沢間に初めて鉄道が開通し板谷峠の難所吾妻越の山腹に峠駅が設けられ人も車もほっとひといき入れたものでした
その時駅頭の力餅の一切れは我々の元気を呼びもどしてくれました。
「営業時間は人が来てから去るまで」という面白いお店。人の気配のない山間の店なので「営業時間」という枠の概念が基本的にないらしい。山形新幹線の車内で販売されている力餅とは別物だそうで、この力餅を買うにはここまで訪れ(鈍行列車の奥羽本線に乗ら)なければならない。ある意味、鈍行の奥羽本線の乗車証明書といえる。
包装紙には「奥羽本線峠駅構内営業」の表記。もしかすると峠駅前の店舗でも同様のものが買えるかも知れないが、包装紙に「奥羽本線峠駅構内」と印刷されているので、駅構内での立売り購入はいい記念。
↓今回利用した列車は
米沢13:08発、峠駅13:25着・13:26発、福島13:54着
列車番号434M 立売販売
峠駅構内。以前春先に訪れたが、福島市街地は標高67m、米沢市街地は標高260mなのに対し、峠駅は標高624mととにかく高いので、気温が低く、米沢駅・福島駅などに比べて圧倒的に雪が多くて寒かったのを覚えている。
以前は箱に直接イラストが印刷されていたようだ。
消費期限は2日後。あんこが詰まったお餅。美味しい。
「大福餅ですので堅くなりましたらフライパンに少々の油を入れて餅の両面を焼いてたべて下さい。オツな味でおいしくいただけます。」と書いてある。今回はストレートにいただいた。お茶に良く合う。
京王線(高尾線)との比較
新宿駅(標高約38m)~高尾山口駅(標高約190m) 44.7km 高尾山の標高599m
福島駅(標高約71m)~峠駅(標高624m)~米沢駅(標高249m) 40.1km
京王高尾線より短い距離で高尾山を越えるようなもの…すごい。
険路に鉄道を通す! 先人たちの熱意が伝わってくる「山岳路線」の旅【山形線・福島駅〜米沢駅間】 (2018年8月18日) – エキサイトニュース(2/10)
今回は、そんな異色の山岳路線、福島駅~米沢駅間を走る普通列車に乗車、スイッチバックの遺構にも注目してみた。上は福島駅~米沢駅の路線マップと、各駅の標高を表した図だ。福島駅~米沢駅間は40.1km(営業キロ数)。7つある途中駅のなかで峠駅の標高が1番高く海抜624mある。峠駅をピークにした勾配は最大で38パーミル(1000m走る間に38m高低差があること)で、前後に33パーミルの勾配が連続している。…(2/10)
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